スッキリ!妊娠中の便秘解消法

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便秘になると妊婦さんは痔や静脈瘤になりやすくなり、
ガスがお腹に溜まりやすくなるとお腹が張って苦しくなるので、早めの予防、対処が大切です。

妊娠中の便秘の原因は大きく分けると3つあります。
一つは大腸と小腸が赤ちゃんに押され背中のほうに移動することによる「直腸性便秘」
これは便が大腸での排出遅延が起こり、便の水分が普通以上に吸収されるために起こります。




二つ目は「弛緩性便秘」といい、妊娠中に分泌されるプロゲステロンというホルモンが
胃や腸の平滑筋を弛緩させるため、消化器官の蠕動運動が抑制(腸の運動機能低下)されることでなります。

三つ目はその他につわりで食事ができなかったり、食事の嗜好の変化、貧血の治療の為に鉄剤を飲むことなどの「生活の変化」、運動不足による腹筋の筋力低下があります。
つわりは嗜好の変化をもたらし、今までの食習慣や食事のバランスが乱れます。するとこれまでは採れていた食物繊維などが不足し便秘の原因になることがあります。また、食事量が減ることで食事から摂取できていた水分量が減ることと、赤ちゃんにも水分が必要なので水分不足になることにより便秘になりやすい状態と言えます。
このように、不自由を感じているとそれがストレスになります。ストレスは腸は自律神経と深く関わりがあるため、ストレスから便秘になることもあります。
便秘になるといろいろと大変です。
排便はあるけれど、コロコロした固い便や残便感がある等の状態はトイレで長時間いきみ続けることになり、結果「痔」になることもあります。
また、お腹の張りを感じるような場合は便秘なのか、子宮の収縮なのか区別がつかないこともあり、おなかの危険さが分かりにくかったりします。
便秘の改善は、個人差があり方法も様々ですが、例えば生活習慣の改善では次の4つが挙げられます。

1.起床後は、朝の光を浴びてコップ1杯の水を飲む
腸は自律神経と深く関わっているため、交感神経と副交換神経をうまく働かせることがポイントです。朝起きたら、まずはカーテンを開け日の光を浴びることが自律神経の切り替えのスイッチとなります。また、寝ている間に水分が不足してしまっているので、起床後に水分補給をすることで腸が刺激され、お通じへと導いてくれます。

2.朝食を食べる習慣をつけ、トイレの時間を作る
朝食を食べることで、さらに腸が刺激され便通を促します。
食物繊維がとれる野菜や果物、海藻類、きのこ類をとり入れた朝食を意識してみましょう。朝、食欲がない方は果物や野菜スムージー、野菜スープ、雑炊などから始めて朝食を食べる習慣をつけていきましょう。
そして、朝忙しい方も「トイレの時間」を作ることが大切です。
特に、仕事をされている方は職場ではなかなかトイレに行く時間がとれない方も多いかと思います。
朝の「トイレ時間」を作ることで排便のリズムも作ることができるので毎日決まった時間に行くとよいです。

3.昼食、夕食は水溶性の食物繊維と発酵食品を意識しよう
こんにゃく、寒天などは妊婦さんに最適な水溶性の食物繊維の代表です。
悪阻で嗜好の変化がある時は無理をする必要はありませんが、なるたけ食品全体で精製していないものがお勧めです
例えば、白米→雑穀米、玄米、発芽米。白い柔らかいパン→ライ麦パン、雑穀パンというように、主食だけでも繊維質やミネラルがたっぷり含まれているものに変えたら便秘が治ったという妊婦さんは多いです。

あとは便秘をすると根菜類、豆類などの繊維質の多いものを摂るという事は定番としてご存知の方も多いのですが、妊婦さんは上記のものを摂り過ぎるとガスが発生しやすくなりお腹が苦しくなるので、「水溶性の繊維質」をなるべく多く摂ると快便につながります。
例えば「豆寒天」「ところてん」「こんにゃくゼリー」「ナタデココ」などが便の水分も増えてよい食材となります。

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維
便秘改善といえば「食物繊維」ですが、食物繊維には不溶性のものと水溶性のものがあります。
両方をバランスよくとり入れることが大切ですが、食物繊維を多く含む食材のほとんどに不溶性食物繊維は含まれているので、特に意識して欲しいのが「水溶性の食物繊維」です。
水溶性の食物繊維は、便の水分を増やし柔らかくする働きがあります。
また、お腹の中で膨れて満腹感が得られるので、妊娠中の食べ過ぎ防止にもつながり体重のコントロールにも役立ちます。

水溶性の食物繊維は、海藻類、アボカド、オクラ、なめこ、里芋、そば、押し麦、プルーン、納豆などに多く含まれています。
また、キムチや納豆、ヨーグルトなどの発酵食品は腸内の善玉菌を増やし腸内環境を整えてくれますので、昼食や夕食はこのような食材をとりいれたものを意識してみましょう。
白米に押し麦を混ぜて炊き、納豆と一緒に食べる。わかめやもずく、ひじきなどを必ず1品とり入れるなど簡単なことから始めてみましょう。

4.夜はお風呂に浸かりリラックスタイム
寝る前にリラックスをして副交感神経を高めて快眠し、朝の排便に備えることも大切です。お風呂にゆっくり浸かったり、軽いストレッチをするなどリラックスタイムを作りましょう。
フットバスや半身浴、よくお風呂に浸かるのも便秘には効果的です。夏場になるとシャワーで済ませてしまう妊婦さんがいますが、夏場でものぼせない程度のお湯でゆったり入りましょう。身体が冷えていると腸の蠕動運動も低下します。

このような生活を実践してって排便のリズムが生じるとしめたものです。
便秘が長引くと危険な場合もあるのでなかなか改善しない場合は、産婦人科で相談して内服薬を処方してもらうと安心です。

5.簡単なヨガもおすすめです
・膝を立て仰向けに寝る→息を吐きながらゆっくり左右に交互に倒す
・壁や椅子の背などを持ち、ゆっくり息を吐きながら身体の横をストレッチします。妊娠するとまずここは伸ばさない部分なので、とても気持ちがよいものです。

6.その他、エクササイズを毎日の生活に取り入れましょう
ウォーキングはしっかり大地を踏みしめて歩くことで骨盤が揺れて便秘に効果があります。
マタニティースイミングは日頃の動きの制限の中で唯一腹ばいになれ、浮力の中で思いっきり身体を動かせます。クロールの息継ぎや背泳ぎ、バタフライなど背筋を使う動きが多く含まれているので背中側にある腸を刺激します。
拭き掃除は優れたエクササイズです。特に窓拭きや四つばいでの拭き掃除です。これも両腕を伸ばすので、背筋の筋肉を沢山使います。

7.便秘に効くツボも刺激しよう
お風呂に入った時やトイレに座った時に刺激する「神門」というツボや「大腸愈」が効果的
「神門」は左手首の小指と薬指の中央を下に下がった場所にあります。腸の蠕動運動を活発にして便秘を解消します。
「大腸愈」は腰骨の一番上の高さで背骨の中心から2指分外側にいった所です。下半身の緊張をとり大腸の働きを調整します。左側を重点的に行うのがポイントです。
「土踏まず」は土踏まずにも小腸と大腸の反射区があります。時計回りにマッサージすると腸を刺激します。なかなか妊婦さんは自分で足の裏を押すのは難しいので、四つばいになり、パートナーの方に足を踏んでもらいましょう。足の疲れも取れて、効果的です。

8.お腹と背中のマッサージ
お腹のマッサージも妊娠線のケアのように時計回りにマッサージしてもよいのですが、腸は背中側に来ているので、背中をマッサージしたほうが効果的です。背中になると腸は半時計周りになりますので、先ほどの大腸愈などもパートナーの人に圧迫してもらうとよいでしょう。精油を加えるるとさらに効果的です。

柑橘系の精油は便秘に適しています。まず簡単にできるのがディフューザーやアロマポットなどを使用する芳香浴です。
消化作用がある柑橘系(スイートオレンジやマンダリン)の精油を数滴垂らしたり、マッサージオイルを作り、腰や便秘に効くツボを刺激しましょう。
オレンジ、マンダリン:消化促進作用があり、フルーティーな香りは食欲を増進させる働きもあります。

マージョラム:緊張をほぐして腸のこわばりを緩める作用があります。
ジンジャー:身体の冷えを改善し、温める作用があり、消化を刺激してくれます。
カモマイル:便秘や消化不良、腹部膨満感など消化器系のトラブルを解消してくれます。
・オレンジ4滴+マージョラム2滴、・ジンジャー3滴+マンダリン3滴、・カモマイル2滴+マージョラム2滴などブレンドしてもOKです。

ブレンドした精油を30mlのキャリアオイル(アーモンドオイルなど)に希釈してマッサージオイルを作ります。合計6滴以内にして1%濃度以下になるように、ブレンドの量は適切に守りましょう。

精油マッサージはまれに合わない人もいるようです。精油マッサージをする場合は妊娠20週以降に、またマッサージに使う精油を選んだり、ブレンドする場合は助産師やアロマセラピストの助言の元に行ってください。

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