メンマの数を数える
こっそりメモ書き
「うーん、支持したのと違う」ってブツブツ言いながら盛り付け方を直す
楽しいからおまえらもやってみろよ
自販機があったので、立ち止まって缶コーヒーを買う振りをして、視線を感じた方に顔を向けた。
二人組の不審な男が、ぎょっとして立ち止まり、スマホを取り出して眺めるふりをした。
尾行(つ)けられている!
>>1は全速力で走った。男達が>>1を追う。>>1の少し前の車道で黒いワゴンが急停車してスライドドアが開く。
(やべえ!)。>>1が心の中で叫ぶのと同時に、ワゴンから男が二人降りてきて、向かってきた。
挟み撃ちにされかけた>>1は車道を横切りって向こうの歩道に移ろうとしたが、向かいの歩道からも男が走ってきた。
「ぶっ!」
>>1が変な声を出す。後ろから追いかけてきた男の投げた缶コーヒーが後頭部に命中し、>>1はつんのめった。
――意識が戻ると、>>1は倉庫街に連れ去られていて、数人の男達に取り囲まれ、両脇を男達にがっしりと掴まれていた。
「誰に頼まれた?」
男が>>1の腹を思い切り殴る。
「ぼうっ!」
「さっさと言え」
男が股間を蹴り上げた。
「ぐああっ!!」
「どこの誰に頼まれたんだ?」
>>1の前髪を乱暴に掴み上げる。
「じょっ、冗談だよ。覆面調査官のふりをして楽しんでただけなんだよ」
>>1の顔面を思い切り殴り、右の頬と左の頬にも渾身の一撃を加え、腹に膝蹴りを食らわせた。
「舐めてるのかてめえ? 誰に頼まれたか言えと言ってるだろう。金貰って味を盗みに来たのか?」
「ちっ、違うよ……」
「じゃあなんでスープの温度調べたり、メンマの枚数調べたりしてたんだ? お前メモってただろ?」
「だっ、だから、調」
最後まで言わせずに>>1の右頬を再び殴った。男は狂ったように>>1に暴力を加えた。
「いいか、吐くまで帰さねえからな。こちとらラーメン屋稼業に命懸けてんだ。舐めた真似しやがったらただじゃ済まねえぞ」
「わかったよ、本当の事を話すよ」
>>1はこの場を切り抜ける為に嘘を吐く事にした。
「さっさと言え」
「○○屋だ。○○屋に頼まれた。報酬は30万。味とメンマ、チャーシューの数、大きさを調べるように頼まれた」
「それだけか?」
「ああ」
>>1が答えると、男は踵を返した。
「始末しろ」
「そっそんな!!」
両脇を固めいてた男達が早くしろ、さっさと乗れと命じて、>>1をワゴン車に連れ込もうとする。
「本当のこと話したじゃないか! 頼むよ、助けてくれよ! 俺が何したって言うんだ!! おい!!!」
>>1は暴れたが、男達は嘲笑いながら>>1に殴る蹴るの暴力を加え、ワゴン車に押し込んだ。
その後、>>1の姿を見かけたものはいない……。
だって調査官だもん
店員「(またやってるよあのニート)」
実際にばればれな覆面もいるからそんなに気にならんよ
店長(うちスープの温度なんか指示されてないのになにやってんだ、あいつ)
「ありかとございましたー」
って職業病の為、無意識でつい言ってしまった振りをする