グルタミン酸ナトリウムによる胎児への影響

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妊娠中はグルタミン酸NG?

ワシントン大学のオルニー博士に研究による研究結果を聞くと、グルタミン酸ナトリウム(=うま味調味料)を摂取するのが怖くなります。

日本では『よくわからないので医師の指導を受けること』とか、『禁忌対象者についても調べた文献の中に見当たらない』、『大量摂取で精神障害や不眠をひき起こすが、通常の食事に含まれる量での摂取はおそらく安全である』程度の認識ですが外国では毒性や有害性を論じた文献が多いことからもかなり神経質に取り扱われています(『健康食品』の素材情報データベース)。

オルニー博士の研究では「生後10~12日目のマウスに体重1㎏当たりMSGを0.5g経口投与すると、その52%に、1g投与で100%に神経細胞の損傷や破壊が起こった」という実験結果が得られており、摂取量によっては特に激しく成長している胎児への危険性はかなり大きいと言えます。これは動物実験の結果であるけれども、同じ哺乳動物なので信頼性はあると思います(実際に人で実験できるわけがないし)。

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グルタミン酸の何がいけない?

胎児への大量投与はおそらく、絶対によくないでしょう。また、大人でも大量摂取をすると多弁になったり饒舌になったりしたという報告もあります。そもそもグルタミン酸は神経伝達物質であり、精神科の治療に使われる場合がある物質で興奮作用があります。大量摂取により多弁になるのはこのためです。

したがって、大人であれば摂りすぎなければ何の問題もないでしょう。ただ、過敏な人もいるらしく、頭痛やしびれといった症状を引き起こす場合があるようです(チャイナレストランシンドローム)。

味の素の合成方法

よく天然由来のもの以外は毒、という人もいますが、現在出回っているグルタミン酸はアミノ酸発酵で糖蜜などから作られたものです。ある意味天然の製法です。というのは、昔は化学合成などで作られていた時期もあり、この場合、副産物としてD型の光学異性体が混入する可能性がありました。この場合は確かに得体のしれない効果がD型にはある可能性があったので自然由来以外のものはNGということを否定できませんでした。

普段口にしてうま味を感じるのはL型のグルタミン酸であり、D型にはうま味を感じません。発酵など自然の力で作られたものはすべてL型しかできないのでサリドマイドのような異性体問題は生じません。

したがって、昆布と同じグルタミン酸を我々は購入できるのです。肝心なのは妊婦さんは控えること、大人は摂取量に気を付けることです。

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