海外の場合はセレブな人の名前がザクザクと出てきているという「パナマ文書」です。
パナマの法律事務所モサック・フォンセカ(Mossack Fonseca)から流出した顧客のオフショア取引に関する極秘文書(「パナマ文書」)で、キャメロン英首相の亡父が設立したオフショア企業が、30年間にわたり英国での納税を回避していたことが明らかになった。国内各紙が5日伝えた。
同首相の父イアン・キャメロン氏は1982年、タックスヘイブン(租税回避地)であるバハマに投資会社を設立。2010年に他界する直前まで取締役を務めた。同社は英国の富裕層の資金数千万ポンドを運用する一方、出資者の匿名性を守るため無記名株式を採用。また、バハマ住民を取締役に起用し、現地やスイスで取締役会を開くなど、英国での課税を逃れる措置をとっていた。ただ、これらの手法に違法性はない。
この投資会社は存続しているが、キャメロン首相の親族が今も出資しているかどうかは明らかにされていない。キャメロン首相の広報官はこれについて「個人的な問題」と回答を避けている。ガーディアンによると、「パナマ文書」では他にも、同首相率いる与党・保守党の献金者や上院議員、元下院議員ら数人が世界各地のタックスヘイブンとつながりを持つことが明らかにされている。
キャメロン首相は租税回避の取り締まりを公約に掲げ、2012年にスコットランドで開かれた主要8カ国(G8)首脳会議では、租税回避とタックスヘイブンの撲滅に向け各国首脳の協力を取り付けている。
http://nna.jp/free_eu/news/20160406gbp006A.html
もし本当にタックスヘイブンを違法とする法整備がなされたらどうなるのか??
一箇所で55兆ってwそらお金回らないよねw景気も悪いし給料も下がるよねw
みーんなお金抜いてるんだもん。
これすら報道しない日本にガックリ来た。働くのバカバカしいよね。
アメリカではそれほど話題になっていないのは、アメリカによる陰謀があるとまで噂されています。
また、中国の習近平主席の親族の名前や、ロシアのプーチン大統領の友人の名前も出ているそうです。またサッカーのスター選手である、アルゼンチンのリオネル・メッシ選手(FCバルセロナ)については親族の名前が出ているそうですし、そのサッカーに関してはFIFA(国際サッカー連盟)のスキャンダルに関係した暴露もあって、各国はその対応や報道で大騒ぎになっているという状況です。
要するに「オフショア」、つまり「タックスヘイブン(租税回避地)」を利用して課税を逃れていた「顧客名簿」と、その関連資料が流出しているのですが、一部報道によれば総数は1150万件であるとか、関係した企業は21万社などという規模に及んでいるようです。
資料のリークについては、まずドイツの新聞社「南ドイツ新聞」に持ち込まれ、その後、多くの国のジャーナリストの協力によって解析が進み、今月3日に報道が始まりました。なお、資料の解析はまだ続いているようで、5月にはさらに詳細の暴露があるという情報もあります。
この問題、アメリカではそれほど大きな騒ぎになっていません。とにかく、今月5日のウィスコンシン州予備選でトランプが負けたことから、「トランプ旋風の終わりの始まり」だというムードが出てきており、ニュースのヘッドラインはその話ばかり。その他は大学バスケット選手権の話題くらいというのが実情です。
一説には、これはアメリカが仕組んだ暴露であるという解説もあります。というのは、暴露の規模が大きい割にはアメリカの大物が入っておらず、ロシアや中国のトップ絡みの情報が入っているという、アメリカの利益になるような「状況証拠」があるからです。
さすがにこの「アメリカのリーク」説というのは、陰謀論にしても荒唐無稽ですが、それにしても、これだけの規模のスキャンダルの割には、アメリカが静かなのは確かに奇妙です。一つには、そもそも「租税回避地を使う」ことも含めて、合法的な節税を行うことには、まったく罪悪感がないというカルチャーがあると思います。建国の理由が英国王の徴税権からの離脱が目的だったこともありますし、そもそも節税や脱税に関する倫理的な非難が「されない」風土があるのです。
80~90年代にレオナ・ヘルムズリーという女性が、ニューヨークのホテル王として一世を風靡しました。同時に彼女は「税金を払うのが嫌い」だと放言して脱税を繰り返し、逮捕されたり収監されたりという「お騒がせ」の存在でした。ですが、彼女が「脱税女王」として有名になっても、彼女の名前を冠した「ヘルムズリー・ホテルズ」のブランドは、彼女の存命中は衰えることはなかったように思います。
現代のニューヨークのホテル王といえばドナルド・トランプですが、彼は大統領候補でありながら、確定申告書の公開を拒んでいて、その理由が「確定申告書がいつまでも確定しないから」と言っています。どういうことかと言うと、14年連続で税務調査の対象となり、要するに申告しても税務署が信じないので必ず税務調査がされて、最後は彼の得意な「ディール」で済ませるまで何年もかかるというわけです。
そこまで納税意識が低いと、欧州やアジアでは社会的に非難されそうですが、アメリカでは、この点に関して言えば「トランプ支持派」でなくても、そんなに目くじらを立てることはありません。
>>続く
http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2016/04/post-824.php
もう一つの理由は、租税回避地を使った節税が余りにも一般的になっているために、今回のリークの対象となった専門の法律事務所を使わなくても、アメリカ国内の普通の大手の会計事務所でオープンにできてしまうし、上場企業の場合は開示資料の中で堂々と開示していることが多いということがあります。その結果として、アメリカの「利用者」は、今回のモサック・フォンセカのリークには、余り入っていなかったということがあると思います。
ちなみに、今回の「パナマ文書」問題に激怒して、オフショアを使った節税への規制強化に乗り出すという主張をしているのは、バーニー・サンダース候補です。これもアメリカでは、要するに「社会主義的な」左派ポピュリズムの立場からでないと、租税回避地の利用に対する積極的な批判は出てこないというわけです。
オバマ大統領も事件を受けて「税法の欠陥を埋めるような改善が必要」だと述べていますが、同時に「租税回避地の利用を取り締まる」というサンダースのような主張が、TPP批判とセットになって保護貿易的な「経済鎖国思想」になることには警戒感を持っているようです。共和党の主流派になると、それはもっと顕著です。
このような理由から、「パナマ文書」問題に対するアメリカの姿勢は、欧州やアジアでの大騒ぎとは少しトーンが異なっています。(終わり)
ただ、タックスヘイブンを利用してマネーロンダリングできてしまうのは問題ですね。
五十嵐聖士郎2016年4月7日07時14分
他人に商品を紹介し、購入してもらえば紹介料が入ってもうかるなどと誘う「マルチ商法」の日本人関係者が、インド洋の島国セーシェルのタックスヘイブン(租税回避地)に会社を所有していたことが、南ドイツ新聞と国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が入手した秘密ファイル「パナマ文書」からわかった。
連鎖販売取引ともいわれるマルチ商法は取引自体は違法ではないが、会員が増えるのに伴い、扱う資金量も膨らむのが特徴。悪質業者の間では当局の目を逃れるため、集めた資金をタックスヘイブンの会社に移す手法が横行しているとされ、ICIJも「犯罪がらみの財産隠しの温床になっている」と指摘する。
タックスヘイブンに会社を所有していたのは兵庫県の男性(41)。2013年8月、別の日本人から譲渡される形で会社を約50万円で取得したという。訴訟記録などによると、06年9月から1年間で延べ800人から約3億円を集めたが、男性は一部の人たちから「架空の投資話で出資金をだまし取られた」と返還を求められ、裁判所で約3600万円の支払いを命じられている。
この男性は朝日新聞の取材に対し、マルチ商法で3億円を集めたことを認めたうえで「悪質なマルチ関係者の多くがタックスヘイブンに会社を持っている」と語った。男性は裁判所の支払い命令に応じておらず、自らの会社については「海外でネットビジネスを始めようとしただけ」と述べ、資金隠しの目的を否定した。(五十嵐聖士郎)
http://www.asahi.com/articles/ASJ46012FJ45UUPI005.html