10か月間、長いようで短い。
あっという間に子供を抱く瞬間を迎えた、とても凝縮された一日だったと感じる。
助産師さんが取り上げたその子は窓枠から遠くに見える自然と一体化し、ダヴィンチでも描けない史上最高の名画の主人公だった(親バカですみません)。小さな体を力いっぱいこわばらせ、梅干しのようにしわくちゃで真っ赤な顔に「だから”赤ちゃん”というのか」と思わずつぶやいた。元気な力強い泣き声。泣けば泣くほど、うるさければうるさいほど、この数日間の疲れを癒してくれるようだった。
この10か月は、特に安定期に入るまでの数か月間は不安の絶えない日々だった。
経験のある方なら笑い飛ばすようなことでも、少しでもネガティブな報告は100倍にも1000倍にも増幅されてしまう。夜間に病院へ行くことも数回あったし、大量出血したときは覚悟もした。
出産まではこんな感じでした。
30時間前:今までにない断続的な腹痛を感じ、病院へ。子宮口2㎝。帰らされる。
24時間前:お腹が痛くなることが多くなる(でも不定期)。
22時間前:10分間隔で30秒ほど続く痛みが来るように(これが陣痛開始ということに)。
17時間前:5分間隔になり、再び病院へ行き、そのまま入院。子宮口4cm。
14時間前:陣痛促進剤を勧められる。同意はしたが、もう少し様子見に(結局使わなかった)
1時間前:子宮口全開になり分娩室へ。
破水しそうでしないので破膜をし、会陰切開はためらいなく”ジョキン!”と。そして出産。
今まであれほど苦しかったのに、助産師さんが数十秒間だったけれど胸の上に赤ちゃんを乗せてくれた時は心の底から幸せを感じました。
そうそう、たいていの妊婦さんが味わう会陰切開の痛みは出産を終えた直後、我に返ると急にやってきます。ヒリヒリで済めばいいけれど、人によっては切開しないで”裂ける”ことになる場合もあるでしょう。そうなると座れないくらいの痛みが長い人で1か月くらい続くそうです。
そんな時にはドーナツ型かU字型の座布団がおすすめです。出産後は通常5日ほど入院し、赤ちゃんの世話をする新生児室にはあっても、自分の病室には持ち出せないので入院時には備えておいたほうがいいです。
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また、母乳を与えて気づいたのですが、赤ちゃんの吸う力はかなりのものがあります。そのうち乳首が取れるんじゃないかというほどにまでなります。男の子のほうが力は強いようですね。
入院の5日間は、2~3時間おきに新生児室に呼ばれ、おっぱいとおしめの交換が主な過ごし方になるのですが、この間隔で乳首を吸われ続けると乳首がカサカサになってあかぎれのようになります。そうなるとととても痛い、でも赤ちゃんは容赦してくれません。
そんな時にはワセリンがお勧めです。ワセリンはいろいろな薬品・クリームの基材として用いられ、肌に合わない方も少ないといわれています。これを授乳後の乳首に塗っておき、授乳時にはふき取って使うといいですよ。
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